【スレ35】印刷会社で1日に13時間くらい働いていた人
831 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/08/03(日) 21:45:46 ID:3BGptAaD
平均13時間/1日くらい働いていた印刷会社勤務時代の話など。
民間・個人のお客様の仕事もありましたが、
省庁・学校など公的機関からの仕事のほうが多かった。
モノは名刺・案内状のような小さいものから、
ページ数が4桁に至りそうな冊子まで。
たまに文書のフォーマットだけ作るとかPDFの加工など、
データ納品のみの仕事もありましたね。
楽しかったのは
文科省・文化庁・大学や学会がらみの仕事に多かったかなあ。
美術館の所蔵品目録とか、建築系の学会の論文集とか。
著作権関連で、布袋の曲のタイトルを数十件入力した際、
面白い曲名が多いのでだんだん楽しくなってしまい、
笑いを堪えながら入力し終えたら、
次に控えているのがそれを上回る数の長渕の楽曲一覧で(;゚;ж;゚; )
なんていうこともありました(ファンの方すみません)。
文科省とは二度と仕事したくないですけどね…。
「○○省の調査によりますと…」みたいなニュースのとき、
自分の作った冊子がTVに写っていたことも。
何だか不思議な感じでした。
会社はボロい中小企業そのもの。
省庁等には、先方の環境で閲覧だけでなく加工も可能な形で
版下データをお返しする(ことになっている)ので
文書に関してはほとんどWordやExcelで作業していました。
(実際は次回のご依頼に備えて会社でもデータを保存しています。
年度ごとに更新したりする文書が多いので。)
名刺やペラもの(チラシなど)はイラレで。
Quarkなんて触ったこともないです。
以下、いくつか印象に残っている仕事の話を。
832 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/08/03(日) 21:46:57 ID:3BGptAaD
・某大物政治家の名刺
ご依頼いただいたはいいが、
この先生が恐ろしくこだわりの強い人で大変だった。
標準仕様で見本を作ったところ「文字の形が気に入らない」ということで、
ありとあらゆるフォントで先生のお名前を出力したフォント見本を提出、
お気に入りのフォントを指定してもらう。
大変なのはここからで、
「形は概ねいいが、全体的に線が太すぎて野暮ったい」から始まり、
「このタテ線が長すぎる」
「このヨコ線がまだ太い」
「ここのハネの角度が気に食わない」などなど
来るわ来るわ直し指定の嵐。
最終的にはすっかり先生オリジナルフォントの出来上がり。
その後、新しく就任された役職を赤文字で入れることになった際も、
「黄色みが強すぎる」「もっと深みのある赤にしろ」
「ここのハネの角d(ry」とこだわり炸裂。
文字フェチなのかただの難癖つけたがりなのかわからないが、
本当に疲れるお客様だった。
・しょぼい学会の論文集
原稿がさっぱり上がってこない。
困り果てて幹事を務める大学準教授(女性)に電話。
その都度「まあ、みんな頑張って書いてらっしゃると思いますよー」
などと他人事のように言っていたが、遂に締切日を過ぎてしまった。
こっちも日程はギリギリ、また準教授に電話することに。
すると「あなたねえ、大学のセンセイはぁ、高校なんかと違って忙しいのよう!」
と謎の超失礼な逆ギレ。
高校の先生なめんな。と思った。
あと、印刷屋の社員てどうせ大学なんて出てないだろう
というその思い込みは何なのだ。大卒だよ一応。
ていうかそもそも大学なんて出てたからって何だというのだ。
本当にカチンときた。
で、1人ものすごくグズグズしている先生がいて、
全部の原稿が揃ったのは納品の3日前。
グズグズ先生曰く、
「印刷とかですぐ使えるようにデータの体裁を
キレイに整えてたら時間がかかっちゃったw」。
いや…データはこちらで組み直すとお伝えしているはずですが。
ちなみに送られてきたのは、
1ページの間で3回ぐらい行間設定が変わっているような、
100%使えない代物だった。
833 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/08/03(日) 21:47:33 ID:3BGptAaD
・小学生の読書感想文 入選作品集集
これは純粋にたのしいお仕事だった。
ワープロ打ちされた原稿を入力しなおして体裁を整え、冊子にする。
子どもらしさ(柔軟な発想や可愛らしさ)が求められる低学年では
入選者にDQNネームが多くいが、
文章力や思考能力が求められる高学年になると
「直子ちゃん」や「隆弘くん」ばかりになるのが印象的だった。
中には「これを入選させるか…」というくらい、
親が書いたのがバレバレなのもあった。
ひとりの女の子が書いた感想文は、
たぶんずっと忘れないと思う。1年生の女の子。
読んだ本は、学校の先生に「お母さんに抱っこをしてもらう」という
宿題を出された子どもたちのお話。
子どもたちは恥ずかしがりながらも、
抱っこされて幸せな気持ちになる。
書いた女の子には妹がいて、
妹の誕生以降お母さんになかなか構ってもらえないそうだ。
構ってもらおうとすると、「あなたはお姉ちゃんでしょ」、
と言われてしまうのだという。
「○○ちゃん(お話の主人公)、
これからもいっぱいおかあさんにだっこしてもらってね。」
同年代の、実在しない子どもに優しい言葉を掛けるこの女の子は、
寂しさや納得できない気持ちを小さな手で必死に封じ込めるように、
感想文をこんな言葉で終えていた。
「わたしは、『おねえちゃん』でがんばります」
女の子のお母さんは、この読書感想文を読んでくれただろうか。
今でも時々思い出しては、
この子が幸せに暮らしていることを願ったりするのでした。
なんかおセンチになっちゃってすいません。
835 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/08/03(日) 22:36:56 ID:XYD6EWS1
>832.833
面白いよ。
最後の女の子、キチンと成長してるよ。
しっかりしてる子だなぁ。