【スレ49】電化製品の取扱説明書の翻訳を校正していた人
294 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/21(日) 01:37:43 ID:JfBr7RYf
電化製品の取扱説明書を作る仕事をしてました。
文章をレイアウトソフトで作り、
説明図をillustratorで描くのが主な内容です。
製品を色々な国に輸出してる会社だったので、
日本語版を以下の言語にします。
英語、中国語、イタリア語、ドイツ語、スウェーデン語。
もちろん、翻訳は本職の人に依頼します。
しかし厄介なのが、
翻訳で上がってきた文章を校正しなければならない。
例えば、
1.電源を入れる
コンセントを差し込んでスイッチを入れてください。
2.設定をする
設定ボタンを押し、サラウンド調整ボタンを~
みたいな文があったとすると、
1の内容と2の内容がきちんと合ってるかどうか確認をします。
1と2の内容が逆になっていたり、
1の内容に2の内容の文が混ざってたりするんです。
さらにスペルミスのチェックもします。
しかしこんな言語が解る訳もなく(職場にも判る人は誰もいませんでした)、
必死に過去の原稿とweb辞書とで必死にチェックします。
流れ的には
日本語版完成
→英訳して校正して完成
→それを元に各言語を翻訳
なので、英語の原本を元に各言語を校正していく形になります。
295 名前:294 2010/02/21(日) 02:04:43 ID:JfBr7RYf
しかし英語だってろくに判らないのに各言語の校正は厳しいです。
よって、以下の方法を使います。
・固有名詞を拾う
(型番や独特の名称が入っていれば、
章内の内容は合っていることになります)
・各言語を脳内で発音してみる
(rosso→redみたいに発音をしてみると似ていることがある)
・過去の原稿(バージョン違い等)を引っ張り出して比べてみる
・WEB翻訳で単語を翻訳する
中国語は漢字なので意味はなんとなくわかるから楽です。
(でも簡体字と繁体字があって面倒です)
しかし地獄なのがスウェーデン語。
脳内発音ができないほど単語が長いです。
例 翻訳精度→Oversattning noggrannhet
(OversattningのOとaの上に二つ点がつきます)
今はWEB辞書でもスウェーデン語もありますが、
当時はありませんでした。
スウェーデン語担当になるともうお手上げです。
辞書片手に昔の原稿片手に単語拾って必死に校正してました。
それで校正終了後
さらに他の人に回して校正
→リーダーに回して確認
→さらに製造に回して校正
と何重にも校正をします。
自分は高校の英語の成績が2だったのでかなり辛い仕事でした。
でも英語の勉強になったのは良かったと思います。
296 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/21(日) 04:39:23 ID:tFxw+dGk
おもしろいなぁ。
海外企業の日本語サービスとかもカタコトな感じだけど、
同じような苦労してるんだろうなぁw
297 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/21(日) 04:45:43 ID:3tEZEa28
各国の支社に送って、
自社の製品と技術についての知識がある社内の現地採用者に
校正させれば良いように思えるんだけど、
実際には縦割りで無理なんだろうねえ。
298 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/21(日) 06:59:55 ID:+TIMAeKV
設計部隊にも取扱説明書の校正依頼が来ていたけど、
日本語、英語はともかくとしてそれ以外の言語の校正依頼が来たら、
絵だけ見て間違っていなければOKするしかなかったですね...
299 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/21(日) 07:44:00 ID:Wld3ah0L
言語できないひとに校正させるのはどう考えても無理だろ
むかし、日本の某メーカーが東南アジアにミニコン輸出したら
英語のマニュアルだけ「冗談はよしてください」という手紙とともに
返送されてきたという話を思い出した
300 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/21(日) 09:07:50 ID:33i0p9Tk
そういや製品エンジニアつーことでマニュアルの翻訳やった。
入社したら「はい、この製品担当」って決められたので
1.動作環境一個目作成
平行してチェックシート作成
2.動かす
3.機能を一個ずつ検証
4.動かないところの原因を探る
5.さぐりつつバグかどうか開発元(主にアメリカ)に報告
6.バグフィックスしつつテスト進行
7.客先にデモしに行く
8.マニュアル翻訳
9.出荷前テスト
10.客先導入支援
11.サポート
複数の環境に対応している製品だったので
大体5番くらいで同製品の別環境テストを開始。
自分の担当製品は複数あるので
同時に4つ5つのテストをしていることになる。
さらにバグの原因がどこにあるか
(製品そのものなのかor日本語環境下でのみ発生するのか
orハード起因なのか)
を探りつつアメリカに英語で連絡するので心も体も壊れた。
当時はwin95のバージョンがいくつもあり
加えてServicePackごとに別OSとしてテスト。
サーバもNT3.51からWin2kまでさまざまにあったので
本気でマイクロソフトが憎かった。
当時の副産物は漠然と英語が聞き取れるようになったことと
体と心の限界がわかった事だけだった。
301 名前:294 2010/02/21(日) 19:59:02 ID:vk1JNa3B
>>296
はい。
多分そういう感じだと思いますw
>>297
それはすごく思いました。
でもやっぱり会社の都合なんですかね。
こんな効率悪いことすること無いのにと何度思ったことか。
>>298
うちの部隊をクリアすれば、
製造から校正で戻ってくることは
ほとんどありませんでした。
>>299
そもそも無理!て思うんですが、
作ってる製品がある程度限定されていることが幸いしまして、
なんとかなっちゃうものなんです。
多少パターン化されているので。
それと、ある程度仕事をやっていくと、
何となく怪しい単語が解ったりします。
「あれ?ここのaには点がつくんじゃなかった?」みたいなw
307 名前:おさかなくわえた名無しさん 2010/02/22(月) 09:24:48 ID:mWscmW0J
中国製の電化製品についてくる日本語マニュアルって
間違いが多くて結構楽しい。
まあ、ひげそりや懐中電灯なら笑い話だけど
PCのパーツとかならそれじゃすまないね。
翻訳・較正のかた御疲れ様です。