【スレ3】起業家で元男娼の風俗ライター
724 名前:男娼 04/11/10 21:30:30 ID:smFBu+01
仲間内5人で作った会社を21の時に潰して借金作って、
それから3年間男娼やってた。
ITバブルと言われてたあの時代、俺らは本気で時代の革命児気取りだった。
今になって思えば何の根拠もない自信だったが、
毎晩違う女とバカ高い酒に溺れても金だけはいくらでもあったし、
一晩でどれだけ浪費できるかが俺たちのステータスだった。
そこそこのアイドルや女優と寝たこともある。
そんなころ、ケチだ地味だ強引だとみんなでコケにしてた同業者は、
最近プロ野球を買うとか競馬場を買うとか言い出して一躍有名人になった。
いま思えば奴には才能があったんだろうな。
最期の夜、俺たち5人は事務所でささやかな打ち上げをして別れた。
それから俺は誰とも連絡を取っていない。他の奴らも多分そうだろう。
自分たちのやり方が間違っていたことを、全員が理解していた。
打ち上げのテーブルには缶ビールとコンビニのツマミが少々。
起業してたった2年半だった。
大学を一年で中退している俺には、2200万の借金が残った。
725 名前:男娼 04/11/10 21:31:21 ID:smFBu+01
まず、住んでいた部屋を引き払って1/10の家賃のワンルームに移った。
それでも人の下で働ける器量なんて俺にはなかったし、
鼻っ柱とプライドだけが高い糞ガキを雇ってくれる企業もひとつもなかった。
そんな時、会社時代の取引先に偶然再会した。
もう一度おまえに投資してもいいんだ、と言って久々に美味い酒を飲ませてくれた
40過ぎのタコオヤジがゲイだったことを、俺はその時初めて知った。
半年タコの愛人をやって、俺の借金は1000万弱まで減った。
まともに働いたわけじゃない。週に2、3度そいつの部屋に通勤して、
俺は厚焼き玉子の作り方と男を喜ばせる技術を覚えた。
ある日、合鍵を使ってそいつの部屋に入るとモヌケの殻になっていた。
すぐにそいつも二度目の不渡りを出したことを知った。そんな時代だった。
726 名前:男娼 04/11/10 21:32:28 ID:smFBu+01
俺には経営の才能はなかったが、セックスは巧かったらしい。
愛人時代にタコに紹介されたブローカーを通して客を取り始めた。
女にも男にも買われた。家賃と光熱費を払っても月に50万以上は返済に回せた。
部屋にはドンキホーテの黄色い空き袋がどんどん溜まっていった。
男の客より女の客のほうがしんどかった。
男は最初から最後まで俺を道具としか見ていない。
だが女は、男娼を人間として扱おうとした。
ちなみに客はほとんどが厚化粧のババァばかり。
一晩という短い時間の中で、俺は一度その客の理想の男性に仕立て上げられる。
若き実業家だったり、童貞の東大生だったり、モデルだったりホストだったり。
数時間俺はその役柄を必死に演じなければならず、それから引ん剥かれてバター犬になるのだ。
人口ヴァギナと竿の両方を持つオカマの客を取って、
一晩で男と女の両方にやられるって妙なこともあった。
そのオカマからは強引に二回分の料金を取ったのをよく憶えてる。
727 名前:男娼 04/11/10 21:33:22 ID:smFBu+01
その話をして、俺のことを「乾燥ワカメみたいだ」と言ってケラケラ笑った女がいた。
その女は同業者だった。
俺は新宿でその女と暮らし始めた。会社を潰してから一年半が経っていた。
口内炎になると仕事にならないと言ってビタミンサプリを過剰摂取するその女は
部屋に仏壇を置いて毎朝手を合わせる創価学会員だった。
俺は宗教には一切興味がなかったが、特に止めさせようとも思わなかった。
新宿にはそういう商売をしてる奴だけの学会のコミュニティがあって、
女は仕事に出ない日はほとんど出席していた。
俺を勧誘(シャクブクというらしい)しようとしたことは一度もなかった。
その女に言わせても、俺のセックスと厚焼き玉子は天才的だったらしい。
728 名前:男娼 04/11/10 21:34:23 ID:smFBu+01
ある日女が「野球できる?」と聞いてきた。
俺が中学まで野球部だったと答えると、女は喜んで次の日にはグローブを買ってきた。
学会の奴が草野球をやりたいのだが、次の試合の人数が足らないということだった。
あと何人足らないのかと聞くと、7人だと答える。
俺とそいつだけじゃねえか。
詳しく聞くと、その言い出しっぺが対戦相手を見つけて試合を組んでしまったらしい。
もうグランドも借りてしまったからどうしようもないと言う。
俺は9人も集まるわけないと思っていたので、
「集まったら行ってやってもいい」と言っておいた。
信じられないことに、試合の前々日にメンバーが集まったと聞かされた。
11人も来るらしい。
相手はやはり創価の集まりだが、ポスティングやら建築現場やらをしてる奴らだそうだ。
渋々だが約束は約束なので、俺も行くことにした。
729 名前:男娼 04/11/10 21:35:09 ID:smFBu+01
当日、女は馬鹿でかいタッパーに山盛りのナポリタンを作った。
俺は厚焼き玉子を作れと言われたが、作らなかった。
俺と女は見慣れた朝の歌舞伎町を抜けて、西武新宿線に乗った。
上井草のグランドは一面の人工芝だった。
パラパラと人が集まりだす。
俺は自チームも相手チームもひとりも知らないわけだが、
一目見ればそいつがどちらのチームかわかった。
顔見知りのデブ専ホモのウリもいたし、紫のスーツを着てきた奴もいた。
そいつはジャージも紫だった。
4年ぶりに新宿から出たと言うヘルスの店長、
なぜか俺の元カレだと言い張る見知らぬホストもいた。
一方相手チームの奴らは真っ黒に日焼けしていて眩しかった。
結局俺たちのチームは3人ばっくれて8人しか集まらなかった。
相手は10人以上いたので借りることになったが
誰をこっちに出すかで相当もめていたようだ。
最後には、指名してくれ、ということになって
言い出しっぺの奴が相手の一番戦力にならなそうな奴を選んだ。
730 名前:男娼 04/11/10 21:36:07 ID:smFBu+01
俺と言い出しっぺがバッテリーを組んだ。
野球経験者がそのふたりしかいなかったからだ。
マウンドに立つのは中学以来だった。
立ってみると、キャッチャーまでの距離が18.44mだということをいきなり思い出して驚いた。
その距離はひどく遠く感じた。
試合は7‐0で負けていた3回に中断して、そのまま解散した。
センターを守っていた紫ジャージが思い切り投げた拍子に肩を脱臼して
救急車で運ばれていったのだった。
ナポリタンは部屋に戻ってからふたりで食べた。
とても食べきれる量じゃないから、ほとんどは冷凍庫にしまった。
それから二度と野球をやることはなかった。
借金を完済したころに、女とは些細なケンカをして別れた。
缶ビールで乾杯したあの夜から3年。俺はまだ24だった。
それからパソコンを買って、
最初に世話になったプロバイダは堀江に買われる前のライブドアだったw
今はフリーで風俗ライターをしながら何とか食い繋いでる。
736 名前:おさかなくわえた名無しさん 04/11/10 22:33:35 ID:EBiBHzEc
>724
あ~。やっぱりライターさんかぁ。文章構成が上手いなぁと思ったw
すごく引き込まれる文章で、内容も興味深かったです。
本当の所、男娼さんはノンケなの?ホモになっちゃったの?それともバイなの?
739 名前:男娼 04/11/10 23:33:22 ID:smFBu+01
>>736
今も昔も丸っきりノンケですよ。
男とやってるときは幽体離脱して上から自分を見てるような感覚でしたね。
女の客だとどうしてもそういう感覚に持っていけなくてきつかったんです。
完全に割り切れないというか。妙な話ですが。
当然ですが辞めてからは一度も男と寝てません。