【スレ38】避暑地の廃ホテルに冬の間一人で住み込む管理人
436 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/07(日) 05:30:44 ID:mtQiDTPt
11年前になるけど、11月~4月半ばの約半年間、
避暑地の廃ホテルで過ごしたことならある。
その年の9月いっぱいまでは営業していて、
債権者の管理物件というやつ。
債権者の意向で翌春から新会社で営業を再開したいから、
冬にボイラー焚いたりして、建物が痛まないようにする
住み込み管理人として半年間の契約だった。
俺はその頃、資格浪人やってて、
ちょうど一級ボイラ技士の資格もってたんで
債権者の一人だった親戚から
「受験勉強にいいんじゃないか?」と話が来た。
給料は月25万円。
やることはボイラーの点検とチェック。
敷地内見回りは9時・13時・17時・21時の4回。
不法侵入、不法投棄、イタズラその他防犯のため。
毎日1回、報告書を22時に債権者の家にFAX。
電気・プロパンガス・上下水道・電話とライフラインは問題なかった。
ただし、ネットはモデム接続w
メールチェックぐらいだからいいけどさ。
車で15分ぐらい走ったところに、
他のホテルもあったが、冬季は休業。
最寄りの人家は車で30分近く走らないとなかった。
こんなところでも郵便や宅配便は来るのが驚きだったな。
437 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/07(日) 05:32:59 ID:mtQiDTPt
11月~12月までの1ヶ月は特に困ったこともなかった。
12月に入って、雪が降り積もるようになってからが大変…
ホテルに面した県道は県の除雪車がやってくれるんだが、
敷地内は除雪機みたいなの動かして、毎朝、玄関周りを除雪する。
これがけっこうな重労働なんで、交渉して月30万円にしてもらった。
食糧と雑誌などは、町のヨロズ屋に電話で注文して、
週1で宅配便に運んでもらう。
電話以外、ナマで人と話すのは、この宅配便の運転手さんのみw
で…みんな、
精神に異常はきたさなかったのかを知りたいんだろ?
ええ、おかしくなりましたよ。はい。
心霊とかお化けとか全くといって信じなかった俺だったのだが、
11月から12月までの2ヶ月間で信じざるを得なくなった。
まずは幻覚。
夜にホテル周囲巡回の最中、誰もいないはずのホテルに人影を見た。
夜の館内巡回中に浴衣姿のおじさんが階段を上るのを見た。
真っ白な雪原に赤いワンピースの女らしき人影を見た。
そして幻聴。
誰もいないはずの大浴場から子供のキャッキャッと笑う声を聞いた。
絶対に鳴るはずのないフロントの内線が鳴る。
他にも色々あったよ…
438 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/07(日) 05:35:03 ID:mtQiDTPt
いよいよ、自分でもこりゃやばいというかまずいなと思って、
正月にヨロズ屋の婆さんに電話でそれとなく相談したら、
2日後ぐらいに婆さんの使いが雑種の犬を連れてきてくれた。
「キツネやタヌキは犬が嫌いだから、一緒に暮らすといいよ」って。
このタロと暮らすようになってから、幻覚はぐっと減った。
見えても、タロといっしょなら怖くないんだよ。
警棒になるライトを振りかざして正体確認するぐらい強くなったw
4月半ばに任期満了して、タロと別れるのが一番つらかったなぁ。
人里に下りて一番感激したのは、人ごみだったな。
無性に誰彼でもなく優しく接したくなった。
それも2週間もしないうちに慣れちゃったけど。
その後、おかげさまで資格試験にも受かり、就職も出来た。
もう一度やってみないか?と言われたら、
最初からタロがついてなかったら絶対に断るね。
440 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/07(日) 06:28:54 ID:4f0bb5xh
>>436
うわぁ、本当にシャイニングの世界ってあるんですね
タロぐっじょぶ
445 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/07(日) 18:33:15 ID:lo3Rcwmk
>>436
面白かったです
結構額面的にはいいと思ったんですが、
半年勤務して見合った給料でしたか?
幻覚とか見える以前に
単に寂しくて死ぬ状態にはならなかったんでしょうか
446 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/07(日) 20:19:31 ID:8QcOt3Gf
>>436
リアルシャイニングですね。
読んでいて背筋がぞっとしました。
幻聴、幻覚も怖いですが、
仮に侵入者などがあった場合、
どう対応するおつもりだったのですか?
468 名前:おさかなくわえた名無しさん 2008/12/08(月) 02:20:12 ID:w5GkRb+n
リアルシャイニング面白かったー
書き込みありがとう。
そんな世界というかバイトって日本にもあるんだね、
そしてシチュエーション映画のまんまというか。
それで顔の怖い奥さんがいればもう完璧・・・
ところでタロを預けてくれたおばあさんは、
そういう幻覚を狸や狐の仕業と考えたようだけど、
本当のところはなんなんだろうね。
でも一人ぼっちでそんな隔離された寂しい雪に埋もれた生活・・・
ちょっとやっぱり興味ある。
昼でも館内怖そうだ。
469 名前:436 2008/12/08(月) 04:44:59 ID:bZt//2kJ
>>445
半年間でちょうど110万円貯金できましたから、金銭的にはOKでした。
あの頃はネット通販も発達してなかったから貯められたという感じですねw
孤独は資格勉強でまぎれました、私の場合。
携帯電話(アナログw)もありましたから、
いざという時は連絡が取れるという安心感もありましたしね。
>>446
不審者は4回ぐらい遭遇しました。
怖いというよりも、実に不思議な感じがするんですよw
こっちは見回り時は警備員の制服みたいなのに着替えてるんで
向こうが驚いて勝手にどっか行ってくれる感じでした。
一度だけ深夜に度胸試しのDQNが来て、
その時は携帯電話をかけるフリをしたら
勝手に「やべーよ、やべーよ」と走り去ってくれてラッキーでしたw
>>468
私が元々「非オカルト」だったから、そんなに辛くなかったのかも。
自分が体験したことのほとんどは
神経が参っての幻覚・幻聴と思ってますが、
いくつかは「これはおかしすぎる」ということもありました。
思い出すと今でも首が痛くなるので、
なるべく思い出さないようにしてますw