【スレ22】ゴーストライター兼フリーライター
123 名前:おさかなくわえた名無しさん 2007/03/15(木) 23:59:12 ID:9vpBU+O0
いわゆるゴーストライターの人の話が聞きたい。
収入はどういうシステムなのか、どんな人の本を書いたのか、
どういう人がゴーストライターを使ってるのか。
自筆かそうでないのかの見分け方などを教えていただきたい。
149 名前:おさかなくわえた名無しさん 2007/03/16(金) 10:33:14 ID:rjMtcslW
>>123
ゴースト専業ではありませんが、
ゴーストライティングは何冊か経験があります。
仕事はフリーのライターです。
私が書いたのはカリスマ店員や医学関係者、
それに作家や大学教授の単行本です。
要するに、
独自のノウハウやスキルは持っているけれど文章を書くのが苦手な人と、
文章は書けるんだけど忙しくて下請けに出したいという人ですね。
前者は、編集者から「手伝ってあげて」と電話が来ます。
後者は、ご本人から「手伝ってくれないかな」と電話が来ます。
自分からゴースト企画を持ち込んだこともありました。
ビッグネーム(あるいは強い肩書き)を前面に出したほうが
企画も通りやすいし本も売れやすいと判断した場合には、
自分の名を消し影法師となって本を出すのです。
ギャラは、カリスマ店員関係は枚数に応じた原稿料。
作家・大学教授関係はケースバイケース。
影法師関係は印税をビッグネームと分け合う場合が多いです。
150 名前:おさかなくわえた名無しさん 2007/03/16(金) 14:01:11 ID:DaxUaLKq
>>123
>>149に加えてゴーストライターは使わないけど、
編集者が聞き書き、なんてのもあります。
149さんの前者のパターンに多いですね。
話は面白いんだけどまったく文章が書けない…なんて人は多いもので、
その場合、その人の話をテープにとって、
さもその人が書いたかのように文章にします。
たぶん149さんもそういう感じだと思うのですが。
低予算の本だったりすると、ライターさんに頼むお金がないので、
編集者が自らそれをやったりするのですね。
見分け方は…プロが見ればだいたいなんとなくわかるんですけどね。
でもたとえば有名人の人生相談みたいなページがあるじゃないですか。
ああいうのはこの方法で書かれていることが多いです。
その辺から感じとって頂ければ。
ちょっと前ですが、週刊spaという雑誌で
杉村大蔵センセイが連載を始めたのですが、
おそらく本当に自分で書いたのでしょう、
1・2回目はとてつもなく詰まらなかったのですが、
3回目ぐらいから劇的に面白くなりました。
確認した訳じゃないですが、ゴーストがついたということですね。
バックナンバーが手に入れば見比べると面白いかもしれません。
しがないリーマン編集でした。
151 名前:おさかなくわえた名無しさん 2007/03/16(金) 14:28:41 ID:s2MqIfcB
>>149 >>150
>>123じゃありませんが、とても興味深い話をありがとうございます。
いくつか質問させてください。
>>149
ゴーストで書く場合、気をつけていることってありますか?
「素人っぽさ」を出さないといけないのかなあ等と思うのですが。
>>150
編集者が書く場合があるとは知りませんでした。
「プロが見たら分かる」というポイントがあれば知りたいです。
155 名前:150 2007/03/16(金) 17:12:50 ID:DaxUaLKq
>>151
いろいろ基準はあるんですが、
たとえばあまりにその人っぽい文章は怪しい。
最近ケンコバが流行らせた
越中誌朗というプロレスラーの口癖が「~やるって!」なのですが、
越中さんのブログにその言葉は全然でてこないらしいです。
そりゃ自分の口癖を「書く」人はなかなかいない。
でも、つい書きたくなるんですよね。イメージで書きますから。
俺が越中さんの本を書くならきっと使いまくるw
159 名前:149 2007/03/16(金) 18:36:06 ID:pIcqRn5K
>>151
ゴーストで書く場合の留意点。
当たり前のことですが、自分を出さないことです。
絵ならば額縁、披露宴なら司会進行。
料理の皿では目立ちすぎかもしれません。
作家のゴーストをする場合は、文体も合わせます。
素人さん相手のゴーストの書き方は、
普通の無署名記事の書き方と同じです。
専門家から話を聞いて、それを雑誌や新聞に書くのと基本は一緒です。
とくに「素人っぽさ」を演出することはしません。
ただ、記事の場合は、記者が聞きたいことを聞きます。
相手が話したくないことでも聞くし、
嘘や隠し事を感じたら、しつこく「本当のところ」を尋ねます。
いっぽうゴーストライティングでは、相手が伝えたいことに重点が移ります。
嘘や隠し事があっても、それが論の破綻を招かない場合や、
読者や語り手や第三者に不利益を与える可能性が考えつかない場合には、
さらりと流します。
書き上げた原稿は、語り手にしっかり読んでもらいます。
「本が出たら、賞賛を浴びるのも告訴されるのも、あなたですよ。
本当にこれでよろしいんですね?
『実はアレはオレが書いたんじゃないんだ』は通りませんよ。
本が出た瞬間に、ゴーストは消えてしまいますよ」
ということを、ちゃんと告げます。
活字は、怖いものです。
素人の方は、それを知る機会がわれわれよりずっと少ないわけですから。
でもまあ、私がゴーストライターを務めた本は、
賞賛を浴びたことも告訴されたことも無いんですけどね。