【スレ5】コンサートスタッフのバイトをしていた人
633 名前:おさかなくわえた名無しさん 04/12/10 01:30:52 ID:FCTHG4Zt
2年ほど前の話ですが、コンサート会場でバイトをしたことがあります。
「A君のバイト先が、日当一万円で3人探してるって。誰かいかね?」
B君による誘いでした。内容を聞き、C君と俺が参加することになりました。
「明日の朝7時30分に会場集合ね。スーツと私服持参で、弁当要らないってさ」
当時、俺もC君もA君との付き合いがなく不安でしたが、1万円は大事です。
例え知らない歌手でも。
翌朝、学校が休みなのに同じ電車で定期券を使い目的地へ。
駅でA.B.Cと合流し、混雑した路線バスで会場へ向かいます。
駅前の学校なために、通勤時間のバスに乗るのははじめてで少し緊張。
会場の楽屋口に着くと、すでに20名ほどの同年代の野郎どもが集結しています。
ヤンキーっぽい人、真面目そうな人、デブ、ガリ、大阪弁などあらゆる人間大集合。
時間になったので、名簿を元に点呼が始まり、ヘルメット、ジャンパー、軍手を支給。
初参加のB.Cと俺は、運営会社の下っ端社員からの説明を受けます。
部隊の上手、下手は絶対覚えろと念を押され、照明が降りてるときに頭撃つと
かなり高い確率で死んじゃうからヘルメットをきちんと被るようにと説明され、
ツアースタッフ(歌手側の人)さんに頼まれたら、返事をして駆け足でいくように。
床のケーブルが切れると、興行中止になるから気をつけてね。
と、そんな内容です。
635 名前:おさかなくわえた名無しさん 04/12/10 01:32:21 ID:FCTHG4Zt
楽屋口に大型トラックが2台入ってきました。
2台ともペイントがコンサート仕様で、アーティストの顔と、
ツアー名(そのころ発売のアルバム名)が書いてあります。
トラックの後ろが開くと、いよいよ始まりです。
どこからともなくツアースタッフが現れ、荷物の降しが始まります。
スタッフが差し出すものを、我々バイト君が「もらいます」と、
元気よく宣言をし、受け取るという決まりがありました。
何に使うのかよくわからない角材、ハリーポッターみたいなホウキ、プリント合板
みかん箱大の木箱、畳大のダンボール、やたらとでかい木箱、その他もろもろ。
コンサート用具のほとんどが、木箱に入っているのを19歳にして知りました。
物の大きさによっては複数人で対応するものもあります。
半分以上そうかな。
ほとんどの木箱にはタイヤがついていて、2段重ねで運ぶこともありました。
このタイヤでケーブルの上を通ると、上でも書きましたが切れちゃうので、
箱を持ち上げて運ぶか、ケーブルを持ち上げるかの手段をとります。
その際に、バランスを崩しちゃう人がよくいます。2段目がぐらっと来ます。
だけど不思議なもので、近くにいる人のカバーリングで難無きを得ます。
運動神経の悪い俺でさえも、信じられないカバーリングが出来るくらいw
高価な機械や機材が多いので、火事場の馬鹿力が働くのでしょう。
(ミキサーという機械は数千万するかも。レスポールも高い)
上手、下手、真ん中などの行き先は、木箱に書いてあったような気がします。
荷物をある程度、搬入し終わると、組み立てが始まります。
ステージの上に台を組んだり、背景を立てたりします。
ツアースタッフは、このころから分業に入ります。背景の人、床の人とか。
ただの木材が、カッコいいものに変わる姿は、肉体労働中とはいえ少し感動。
気がつくとほとんどのセットが出来ています。ドラムとキーボードが台上に、
ボーカル、ギター、ベースのマイクスタンドはステージ上に並んでいます。
スピーカーが各自の足元に置かれ、本番の配置になっています。
しかし、これで完成なわけではありません。掃除が始まります。
ハリーポッター風のホウキは、OTさんがライブ中に使うのではなく、
俺が掃除するための道具でしたorz
636 名前:おさかなくわえた名無しさん 04/12/10 01:33:14 ID:FCTHG4Zt
掃除が終了し、バイト君たちが引き上げていくときに、呼び止められます。
「バイト君、10人残ってください」
ツアースタッフのお姉さんに、目を見て言われた俺も残ります。
客席に座って待っていると、マイクあわせと、音合わせが始まります。
待っている間は、腕を組んだりしてはいけないと、運営会社のおじさんに言われます。
腕を組んでステージを見てると、あたりまえですが、
物を投げられちゃうことがよくあるそうです。
Vo、G、B、K、Dのマイクの音の大きさと電波をチェックしているようです。
その後は照明あわせに入ります。我らバイト君の仕事は、マネキン役です。
Vo、G、B、K、Dの位置に着き、照明の当たり具合を見るための役で、動かないことが仕事。
キーボードの場所に座り、弾く真似をして光の当り具合を見せるのが仕事。
5分くらいたって疲れ始めるので別の人と交代。5分くらいでまた交代
今度はドラムの場所ゲット。そんな風に30分くらいで照明あわせ終了。
キーボード前のスピーカー裏に、セットリストとアンコールまで書いてあったり、
結構楽しいw
それが終わると、チラシのセット作りです。
5枚くらいのチラシを一枚ずつとって、1まとめにして、
束ごとに互い違いに重ね合わせて完成し、お昼休みに。昼食が支給されます。
食後はスーツに着替えます。ネクタイは運営会社から配給。バイト君のおそろいです。
午後は人によって場所が変わります。俺が命じられたのは楽屋番でした。
楽屋の入り口で、パスを持った人のみを通す仕事です。
一応室内ですが玄関なので寒いです。
そこを通れるパスは2種類あり、色と形で区別可能です。
パスがない人は小泉首相であっても通してはいけない。と厳命されました。
スタッフさんが出入りするくらいで、アーティストも来ないので退屈でした。
やがて交代がやってきて、他をこなし夕食の時間になりました。弁当が支給されます。
食後は、一時間くらい自由時間で、その後最終打ち合わせ。
運営会社の下っ端のお兄さんだけでなく、その人の上司も登場です。
下っ端お兄さん(いい人だった)が、説明不足で上司に殴られたり、結構ハードな一面も。
番号を割り振られ、開場ポジションと上演ポジションの確認、曲数とアンコール数の確認等など。
637 名前:おさかなくわえた名無しさん 04/12/10 01:33:57 ID:FCTHG4Zt
開場時間になり、俺の場所はPA警備でした。PAとは音の調節機械みたいなやつです。
それを誰かが弄繰り回すと、最悪の場合、公演中止になるということなんで、結構重大。
しばらくしたらPAスタッフが現れ、俺らの任は解かれたので、前列の検札になりました。
全席指定の、前のほうに不正に侵入しないように見る役目です。結構振り切る奴とかいて困る。
やがて客電が落とされ、バイト君はしゃがみ体勢になります。OTが現れ演奏開始。
最前列ではロープ持ちのバイト君が、お客さんと押し蔵饅頭を開始し、
俺は俺で、席を案内しようと階段を上ったところでづっこけ恥をかき、
散々な120分が始まります。
腰は痛い、足は痛い。
当たり前ながら客の方を向くために、ステージは見えない。
知ってる曲が来ても、方ひざしゃがみの足を組みかえるのに必死。
途中で着替えの時間がありました。交代要員のカバー中に私服に着替えます。
収穫といったら、その歌手の歌が好きになったことですかね。バックバンドの名前も言えるw
(イニシャルだけ書くと、Vocal&G=OT、Gultars=OS、Bass=NT、
Keybord=SY、Drums=FT)
全公演が終了し客電がつくと、客出しのアナウンスを開始です。
アンコールのタイミングまでバイトに教えるのは、これを間違えないためです。
そしてばらし作業が始まります。
組み立てよりもスピーディーになります。俺たちは11時代の終電で帰宅。
最後まで残った近所組みは、1時位まで作業していたそうな。